ⓔコラム12-29-4 国際コンセンサス診断基準 (ICDC)

 AIPは当初,組織学的にはLPSPとIDCPを別なものとして扱っておらず,歴史的な背景からわが国では膵管像を診断に重要視するなど診断方法も各国によって異なっていたことから2011年にICDCが作成された.ICDCでは,LPSP,IDCPをそれぞれtype 1,type 2とし,さまざまな診断方法で同じくAIPを診断することが可能となった.1型についてみると診断の主要項目を組織像,画像所見,ステロイド反応性に分け,レベル1,レベル2と2段階に分類した診断項目が膵実質,膵管像,血清所見 (血清IgG4値),膵外病変,膵の組織像に設定されており,どの主要項目で診断するかを決めるとそれに対して診断に必要なレベル1もしくはレベル2の項目が決まっている (ⓔ表12-29-3A同表B同表C同表D同表E)1).そのため診断項目が多数存在しており,自己免疫性膵炎臨床診断基準2018と比較すると専門医向けである.

〔内田一茂〕

■文献

  1. Shimosegawa T, Chari ST, et al: 自己免疫性膵炎の国際コンセンサス診断基準:国際膵臓学会のガイドライン.膵臓,2011; 16: 688–698.